全て人間は、平和で幸せに暮らす権利があるはずです。
にもかかわらず、戦争、内乱、災害、疫病等によって、今もたくさんの人々が生活を破壊され命を奪われています。
これらの人々が人間として幸せに暮らせる環境を整えることなく、地球環境の維持も人類の存続も望めないと考えます。
そして、こうした環境下にある人々が立ち上がる、元気、勇気、気力を取り戻す励ましの笑いが求められていると痛感しています。(国境なき芸能団設立趣旨書より)
ボランティア落語をやるようになったきっかけは、阪神・淡路大震災です。
震災直後は笑いは不謹慎ということで仕事がなくなった。「なんでお笑いなんかやっ ているのやろ」と頭を抱えました。
東灘区でガレキの片づけをしたり、水を運んだりしていたんですけど、あるとき被災者に言われたんです。
「笑わしてくれ よ。お前ら、芸人と違うんかい」と。
「いいんですか?」と聞くと、「笑いたいねん」と。
念のため、体育館に避難している人たちにも聞いてもらったらみんな「笑わせて」と言うんですね。
「それやったら」とやらしてもらった。そしたら、〝ズワワーッ〟と、いままで聞いたことのない笑いがわき上がってきた。
「生きてて良かった~、笑いをやっていてよかった!」
「笑いにはこんな力があるんや!人の役に立つんや!」
心からそう思って、笑いに感謝して、そこからボランティア落語を始めたんです。
「国境なき芸能団」というNPO法人をつくって、震災のあったトルコに行って落語をしたり、イラク、カンボジア、ドミニカといった国にも飛んで笑いを提供してきました。
そして、2011年3月11日に起きた東日本大震災です。
さまざまな緊急支援活動。僕も仲間と連れ立って駆け付けましたが、あまりにも厳しい現実に、日本中が落ち込んでしまいました。
でも、必ず「笑い」が必要になるタイミングがある。被災者の方々は辛い中でもやはりどこかで「笑い」を求めているという思いがありました。
そして、みなさんの応援に励まされて2012年に始めたのが「笑福亭鶴笑 ボランティア落語会」でした。
この活動は、さらに大勢の仲間の賛同を得て、2016年からは、「全日本おむつ団 ボランティア演芸会」の活動となり、今も毎年、全国で数十回以上のボランティア公演を行っています。
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